「出納」はなぜ「すいとう」と読む?「しゅつのう」との違いや語源を解説

「出納」は
「すいとう」
と読みますが、漢字を見ると「しゅつのう」と読みたくなる人も多いのではないでしょうか。
なぜ「出」が「すい」、「納」が「とう」になるのか、不思議に感じる言葉です。
実は「出納」には「しゅつのう」という読み方もあり、古くから読み方が一つだけだったわけではありません。
この記事では、「出納」をなぜ「すいとう」と読むのか、「出」と「納」それぞれの
「読み方の由来」
や、「しゅつのう」との違い、現在の読み方が定着した背景までわかりやすく解説します。
「出納」はなぜ「すいとう」と読むの?
「出納」は、一般に「すいとう」と読みます。
「出」は「しゅつ」、「納」は「のう」と読むことが多いため、「なぜ『しゅつのう』ではなく『すいとう』なの?」と疑問に思うのも自然でしょう。
結論からいうと、「すいとう」は「出」と「納」にある読みを組み合わせたものです。
「出」には「すい」という字音があり、「納」の「とう」は慣用音とされています。
つまり、
「出」=すい
「納」=とう
となり、「出納」=「すいとう」と読まれます。
「すいとう」は漢字から推測しにくい読み方
「出」を使った熟語には、「出発(しゅっぱつ)」「出席(しゅっせき)」「退出(たいしゅつ)」などがあります。
また、「納」には「納税(のうぜい)」「収納(しゅうのう)」「納入(のうにゅう)」などがあります。
そのため、
「出」=しゅつ
「納」=のう
という読み方に慣れている人ほど、「出納」を「しゅつのう」と読みたくなるでしょう。
一方、「出=すい」「納=とう」という読み方は、現代の日常生活では目にする機会が多くありません。
普段よく使う音読みだけでは「すいとう」と読みにくいことが、この言葉の特徴です。
「出納」は金銭や物品の出し入れを意味する
「出納」の意味を見ると、漢字の組み合わせは非常に分かりやすくなります。
「出」は外へ出すこと、「納」は中へ納めることです。
そこから「出納」は、金銭や物品などを出したり入れたりすることを意味します。
会社の経理などで使われる「現金出納」であれば、現金を受け取ったり支払ったりすることを表します。
「出納係」「出納業務」「出納帳」などの「出納」も、一般に「すいとう」と読みます。
実は「しゅつのう」という読み方もある
ここで注意したいのは、「出納」という漢字に「すいとう」以外の読み方がまったくないわけではないことです。
辞書には「しゅつのう」という読み方も掲載されています。
また、古い時代の文献や辞書をたどると、「出納」の読み方には歴史的な変化があったことが分かります。
そのため、
「しゅつのうは完全な読み間違いで、昔からすいとうだけが正しい」
と単純に考えるのは適切ではありません。
現在、金銭や物品の出し入れを意味する一般的な「出納」は「すいとう」と読む、と覚えておくのがよいでしょう。
では、なぜ「出」を「すい」と読み、「納」を「とう」と読むのでしょうか。
次の章から、それぞれの漢字の読み方を詳しく見ていきます。
「出納」の基本的な意味や使い方、例文については、「出納」の基本的な意味や使い方、例文については、<a href=”https://www.subvertise.org/suitou/”>「出納」とは?読み方・意味・使い方を例文付きでわかりやすく解説</a>で詳しく紹介しています。「出納」とは?読み方・意味・使い方を例文付きでわかりやすく解説で詳しく紹介しています。
「出」を「すい」と読むのはなぜ?
「出」という漢字は、一般には「しゅつ」「でる」「だす」などと読みます。
そのため、「出納」の「出」を「すい」と読むことに違和感を持つ人も多いでしょう。
しかし、「出」には「すい」という字音もあり、「出納」ではこの読み方が使われています。
「出=すい」は、現代の日常的な熟語ではほとんど見かけないため、「出納」という言葉を知らなければ読み方を推測するのは難しいといえます。
「出」には「シュツ」以外の字音もある
「出」といえば、
「出発(しゅっぱつ)」
「出席(しゅっせき)」
「外出(がいしゅつ)」
など、「シュツ」という音読みがよく知られています。
しかし、漢字の音読みは必ず一つとは限りません。
日本へ漢字の音が伝わった時期や経路などによって、同じ漢字に複数の字音が存在することがあります。
「出納」で使われる「すい」も、「出」に認められている字音の一つです。
したがって、「出納」の「すい」は、「しゅつ」という読みを現代になって無理に変化させて作った読み方、と単純に考えるのは適切ではありません。
「すい」は「出す」という意味と結びついている
「出納」という言葉では、「出」は外へ出すことを表しています。
一方の「納」は、内へ納めることを表します。
つまり、
「出」=出す
「納」=納める
という反対方向の動きを組み合わせた言葉です。
金銭であれば、支払いなどによってお金を「出す」ことと、入金などによってお金を「納める」ことの両方を表しています。
「すい」という読み方だけを見るより、「出す」という意味と一緒に理解すると、「出納」という言葉そのものも覚えやすくなります。
現在では「出納」の中で覚えるのが分かりやすい
現代では、「出」を「すい」と読む言葉を日常的に目にする機会は多くありません。
そのため、「出」という漢字を見て、すぐに「すい」という読み方を思い浮かべられなくても不思議ではありません。
実用上は、
「出」には「すい」という字音がある
↓
その読みが「出納」に残っている
↓
「出納」は「すいとう」と読む
と理解しておけばよいでしょう。
そして、「出納」の読み方をさらに分かりにくくしているのが、もう一方の「納=とう」です。
「納」は「のう」と読むことが多いのに、なぜ「出納」では「とう」と読むのでしょうか。
次の章で詳しく見ていきます。
「出納」という言葉そのものの成り立ちや、古い時代から現在までの意味の変化については、「出納」の語源とは?言葉の由来と意味・読み方の歴史を解説で詳しく解説しています。
「納」を「とう」と読むのはなぜ?

「出納」の「出」には「すい」という字音があり、「納」の「とう」は慣用音とされています。
「出納」の読み方でもう一つ不思議なのが、「納」を「とう」と読むことです。
「納税(のうぜい)」「納入(のうにゅう)」「収納(しゅうのう)」など、現代では「納=のう」という読み方に慣れている人が多いでしょう。
しかし、「出納」では「納」を「とう」と読みます。
この「とう」は、辞書で「納」の慣用音とされています。
「とう」は「納」の慣用音
漢字の音読みには、呉音・漢音・唐音などのほか、慣用音と呼ばれるものがあります。
慣用音とは、日本で長く使われるうちに定着した読み方で、本来の漢字音とは異なる形が一般に使われるようになったものです。
「納」の場合、よく知られている音読みは「ノウ」ですが、「出納」では慣用音の「トウ」が使われています。
したがって、
「納税」=のうぜい
「納入」=のうにゅう
「収納」=しゅうのう
「出納」=すいとう
となります。
同じ「納」という漢字でも、熟語によって読み方が異なるわけです。
なぜ「のう」ではなく「とう」になった?
「納」を普段「のう」と読んでいると、「出納(すいのう)」ではないのかと思うかもしれません。
しかし、現在一般的に使われている「すいとう」という読みでは、「納」の慣用音である「とう」が定着しています。
ここで大切なのは、「納」という漢字そのものが通常「とう」と読まれるわけではないということです。
「とう」は現代のさまざまな熟語で広く使われる読み方ではないため、「納税」や「収納」から「出納」の読みを推測することは難しいでしょう。
「出納」という熟語に特徴的な読み方として覚えておくのが分かりやすい方法です。
「すい」+「とう」で「すいとう」になる
ここまでを整理すると、「出納」の読み方は次のようになります。
「出」=すい
「納」=とう
この二つを合わせて、
「出納」=「すいとう」
となります。
普段よく目にする、
「出」=しゅつ
「納」=のう
という組み合わせではないため、初めて「出納」を見た人には難読語のように感じられるでしょう。
ただし、「出納」の読み方については、これだけでは説明しきれない面があります。
実は「出納」は昔から一貫して「すいとう」とだけ読まれてきたわけではありません。
古い時代には「しゅつのう」などの読みも見られます。
では、いつごろから現在の「すいとう」という読み方が使われるようになったのでしょうか。
次の章で「出納」の読み方の歴史を見ていきます。
「出納」は昔から「すいとう」と読まれていた?
現在、「出納」といえば「すいとう」と読むのが一般的です。
しかし、昔から「すいとう」という読み方だけが使われていたわけではありません。
古い辞書類では「しゅつのう」にあたる読み方が確認されており、「出納」という言葉には読み方の歴史があります。
現在の金銭の出し入れを表す「すいとう」という読み方は、比較的新しい時代に広まったものとされています。

「出納」には「しゅつのう」という古くからの読みもあり、「すいとう」という読み方にも歴史があります。
古くは「しゅつのう」という読み方が見られる
「出納」という言葉そのものには古い歴史があります。
古い時代には「しゅつのう」と読まれ、物を出したり納めたりすることを表すほか、官職に関係する言葉として使われた例もあります。
つまり、
「出納」という漢字がある
↓
最初から「すいとう」とだけ読む
という単純な歴史ではありません。
「しゅつのう」という読み方にも歴史的な根拠があることは、「なぜ『すいとう』と読むのか」を考えるうえで重要なポイントです。
「すいとう」の用例は近代にも確認できる
現在のように金銭の出し入れを意味する「すいとう」の用例は、近代の文献にも確認できます。
『日本国語大辞典』には、福沢諭吉の『西洋事情』(1866~70年)から、「出納」に「すいとう」の読みを示した用例が掲載されています。
少なくとも幕末から明治初期には「すいとう」という読み方が使われていたことが分かります。
その後、会計や金銭管理などの場面で「すいとう」という読み方が広く定着し、現在ではこちらが一般的になっています。
現在は「すいとう」と覚えておけばよい
読み方の歴史を知ると、「出納=すいとう」が単なる特殊な読み方ではなく、長い言葉の変化の中で定着してきたことが分かります。
現代では、
「現金出納」=げんきんすいとう
「出納帳」=すいとうちょう
「出納係」=すいとうがかり
のように読むのが一般的です。
したがって、通常の文章や仕事で「出納」を目にした場合は、基本的に「すいとう」と読めばよいでしょう。
ただし、「しゅつのう」という読み方そのものが、単純な誤読というわけではありません。
「しゅつのう」には古くからの用法があり、辞書にも現在まで掲載されています。
では、「すいとう」と「しゅつのう」には、どのような違いがあるのでしょうか。
次の章で詳しく見ていきます。
「出納」を「しゅつのう」と読むのは間違い?
「出」を「しゅつ」、「納」を「のう」と読めば、「出納」は「しゅつのう」になります。
では、「出納」を「しゅつのう」と読むのは間違いなのでしょうか。
結論からいうと、「しゅつのう」という読み方そのものが間違いというわけではありません。
辞書にも「しゅつのう」という読み方が掲載されており、古くから使われてきた歴史があります。
ただし、現在、金銭や物品の出し入れを表す一般的な「出納」は、通常「すいとう」と読みます。
「しゅつのう」は辞書にもある読み方
「しゅつのう」は、単に漢字を見て誰かが間違えて読んだものではありません。
「出納」には古くから「しゅつのう」という読みがあり、辞書にも掲載されています。
歴史的には、物を出したり納めたりすることを表すほか、官職に関係する言葉として使われた例もあります。
そのため、
「しゅつのう=完全な誤読」
と決めつけるのは正確ではありません。
「出納」という言葉には、時代や用法によって異なる読み方が存在してきたと考えるのがよいでしょう。
現在のお金の出し入れなら「すいとう」が一般的
一方、現代の会社や会計などで使われる「出納」は、基本的に「すいとう」と読みます。
たとえば、
現金出納(げんきんすいとう)
出納帳(すいとうちょう)
出納係(すいとうがかり)
出納業務(すいとうぎょうむ)
などです。
会社で「現金の出納を確認する」という場合に、「しゅつのう」と読むのは一般的ではありません。
したがって、現代の実用上は「出納=すいとう」と覚えておくのが分かりやすいでしょう。
「すいとう」と「しゅつのう」の違い
二つの読み方を簡単に整理すると、次のようになります。
| 読み方 | 主な位置づけ |
|---|---|
| すいとう | 現代では金銭や物品の出し入れを表す一般的な読み方 |
| しゅつのう | 古くから見られ、辞書にも掲載されている読み方 |
ここで注意したいのは、読み方だけを見て「こちらが正しく、こちらが間違い」と単純に分けないことです。
「しゅつのう」には歴史的な背景があり、現代の一般的な用法では「すいとう」が定着していると理解すると、両者の関係が分かりやすくなります。
仕事や日常生活で「出納帳」「現金出納」などを目にした場合は、まず「すいとう」と読めばよいでしょう。

現在、会社や会計などで金銭や物品の出し入れを表す「出納」は、一般に「すいとう」と読みます。
「出納」の語源と本来の意味とは?
「出納」という言葉は、二つの漢字が表す意味を見ると、その成り立ちを理解しやすくなります。
「出」は外へ出すこと、「納」は中へ納めることを表します。
つまり「出納」は、「出すこと」と「納めること」という反対方向の動きを組み合わせた言葉です。
現在では特に、金銭や物品を出したり入れたりすることを表す言葉として使われています。
「出」は外へ出すことを表す
「出」は、内側にあるものが外へ出ること、または外へ出すことを表す漢字です。
「出発」「外出」「支出」などにも使われているため、意味をイメージしやすいでしょう。
「出納」の場合も、金銭や物品を外へ出す側の動きを表しています。
たとえば会社の現金であれば、経費や代金を支払うことで、お金が会社から外へ出ていきます。
この「出ていく側」が「出」に当たります。
「納」は中へ納めることを表す
「納」には、物を中へ入れる、決められた場所へ納めるといった意味があります。
「納税」「納入」「収納」などにも、この意味が表れています。
「出納」の場合は、「出」と反対に、金銭や物品が入ってくる側を表します。
つまり、
「出」=外へ出す
「納」=中へ納める
という二つを合わせることで、出ることと入ることの両方を一つの言葉で表しているわけです。
「出納」はもともとお金だけを表す言葉ではない
現代では「出納帳」「現金出納」「出納業務」など、お金に関係する場面で「出納」を目にすることが多くなっています。
そのため、「出納=お金の出し入れ」と覚えている人も多いでしょう。
しかし、「出納」が表す対象は金銭だけに限られません。
物品を受け入れたり、必要に応じて払い出したりする場合にも「物品の出納」のように使われます。
本来の中心にあるのは「何かを出すことと納めること」であり、そこから金銭や物品の出し入れを意味する言葉として使われています。
読み方は難しくても漢字の意味は分かりやすい
「出納」は、「すいとう」という読み方だけを見ると難しい言葉に感じます。
しかし、漢字の意味そのものは比較的分かりやすい言葉です。
「出す」+「納める」
↓
「出たり入ったりする」
↓
「金銭や物品の出し入れ」
と考えると理解しやすくなります。
「出納」が「すいとう」と読まれる理由と、言葉そのものの意味は分けて考えるのがポイントです。
読み方には歴史がありますが、「出納」という言葉の基本には「出す・納める」という二つの動きがあります。
この成り立ちまで理解しておけば、「現金出納」「出納帳」「出納係」などの言葉も意味をつかみやすくなるでしょう。
「出納」を「すいとう」と読む理由まとめ
「出納」は、現在では一般に「すいとう」と読みます。
「出」は「しゅつ」、「納」は「のう」と読むことが多いため、一見すると「しゅつのう」と読みたくなる言葉です。
しかし、「出納」では「出」の「すい」という字音と、「納」の慣用音である「とう」が使われ、
「出」=すい
「納」=とう
↓
「出納」=すいとう
となります。
一方で、「出納」は昔から「すいとう」とだけ読まれていたわけではありません。
「しゅつのう」という読み方にも歴史があり、辞書にも掲載されています。
そのため、「しゅつのう」を単純な誤読と考えるのではなく、読み方の歴史や用法の違いとして理解するとよいでしょう。
現在、会社の経理や会計などで金銭や物品の出し入れを表す場合は、「すいとう」と読むのが一般的です。
「現金出納」「出納帳」「出納係」「出納業務」なども「すいとう」と読みます。
また、「出納」という言葉自体は、「出す」と「納める」という二つの動きを組み合わせたものです。
「読み方は『すいとう』、意味は『出すことと納めること』」と覚えておけば、読み方と意味の両方を理解しやすいでしょう。
「なぜ『すいとう』と読むの?」と疑問に感じたときは、「出=すい」「納=とう」という読み方だけでなく、「しゅつのう」という古くからの読み方もあることを知ると、「出納」という言葉の成り立ちがより分かりやすくなります。
※記事内の人物画像はAIで生成したイメージです。実在の人物とは関係ありません。
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